殺人を犯して逃げ続けていた、天才料理人のニュース。
中居君の中で、きっと和賀英良がよぎったんだろうと思います。
「彼の味方になってしまう」と言ってましたね。
罪を犯したことを悔いながらも、平穏な日々を守るために逃げ続けてしまう、愚かな心を持った、弱い人間の姿に、今西達に対して虚勢を張り続け、マンションの部屋で一人、恐怖に震える和賀を。
ごめんなさい、と、ふるさとの母に電話をする姿に、橋の上から、三木さん殺害現場へ向って手を合わせた和賀を。
私でさえ思い出したんですから。4ヶ月間、和賀であり続けた中居君が、思い出さないはずがない。
V明けの声が、ちょっと微妙にかすれ気味だったのが、とても印象的でした。

昨日、我が家で購読している読売新聞の読者のページ(投書欄)に、昨年の「砂の器」についての投書が載っていました。一年以上経って、なぜ?と思ったりもしました。それに、読売新聞(日テレ系)なのにって。でも、その内容を読んで、確かに、「砂の器」で描かれたことは、普遍的なテーマなのだな・・・と思ったんです。
「人には生まれついての悪人はいない。育った環境などで、悪人にも善人にもなる」
「犯罪や事件のニュースの見方や親との接し方が変わった」
「主人公のような悲しい人物を生まないために、一人一人が差別や人種、生き方について深く考えるべき」
といったことを書かれていました。
うんうん、そうだよな・・・。放送当時、私も随分色々なことを考えたし、その後も、ニュースでの事件の取り上げ方や、被害者とその家族、加害者とそのの家族についてまで、思いが及ぶようになりました。
色んな世代の人たちに、何らかの影響を与えたドラマだったんですね。
そして、それに主演し、苦悩する殺人者を演じ続けた中居正広。
改めて、凄い人だなあ・・・と思いました。彼自身が、上辺でない、人の心の奥を見つめることが出来る人なんだろうな。でなければ、きっと、あそこまで、和賀英良=本浦秀夫に、シンクロすることは出来なかったでしょう。
中居君がよく本を読む人で、その読む本が、結構重いテーマなことも、とても納得です。

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